合同会社における「社員」とは?
合同会社の「社員」とは、従業員の事ではありません。
「出資者」のことです。
さらに、業務を執行する「経営者」でもあります。
(「業務を執行する」とは、事業活動に関与し意思決定および執行行為をすること)
株式会社の場合の代表者の肩書きは、「代表取締役」となりますが、合同会社の場合は、「代表社員」となります。
自然人(生きている人間のことで、法人に対する語)だけでなく、法人でも社員になることが出来ます。
社員の構成人数
1人で設立すれば、誰にも縛られずに運営出来ます。
複数人で設立すれば、資金力も豊富になり、自分以外の意見を聞く事が出来ます。
しかし、定款の変更には原則として全員一致が必要になりますので、意見の食い違いから分裂してしまった場合には非常にやり辛くなってしまいます。
自分自身のアイディアや意見を元に事業を進めたい場合には、1人で設立する方が良いでしょう。
資本金の額
資本金は、1円以上(理論上は0円以上)の額で設立が可能です。
資本金の額で相手を判断しようとする傾向にあるので、あまり額が少ないと取引先に嫌がられる場合があります。
私は50万円で設立しましたが、10万円で設立されている方もいます。
資本金の額は登記事項であるため、登記事項証明書に記載されます。
登記事項証明書は誰でも取得して見る事が出来るため、余裕があるのであれば100万円以上の方がお勧めです。
但し、税金の観点から見ると、資本金等が1千万円を超える法人は税金が高くなるので、1000万円以下にした方が良いです。
2016年中に設立された合同会社の半数は、資本金が100万円未満というのが現状です。
[関連記事]合同会社(LLC)と株式会社の資本金額別の登記数
現物出資
資本金の額に含める出資は、金銭以外の財産、つまり「物」での出資も可能です。
※現物出資は登記の際に価格の算定や書類が増えて面倒になります。
例えば、車やパソコン等があります。
合同会社の場合、株式会社の場合と異なり、検査役や設立時取締役等の調査が必要無いそうですが、現物出資財産の「客観的な価格」を定款に記載する価格として現物出資する事が望ましいです。
「客観的な価格」ですが、判定が難しいものもあるでしょう。
書物によっては、中古価格を目安にすると良いといった事も書かれております。
法人成りする方は、毎年の確定申告時に添付している書類の中にヒントがあります。
所得税青色申告決算書や収支内訳書の減価償却費の計算です。
その数字を元に、法人設立日における固定資産未償却残高をもって現物出資の額とし、今まで事業を行っていなかった方が初めて法人設立する方の場合も、その方法に準ずる価格をもって個人の財産を計上する事が望ましいでしょう。
まとめ
- 資本金の額は、100万円以上1千万円未満がお勧め。
- 1人で出資した方が、自由にやりたい事が出来て良い。
- 現物出資は、設立登記までの準備が色々と面倒なのでお勧め出来ません。
- 法人成りの場合も、金銭での出資を行い、設立後に適正価格で新設法人が買い取るか、個人から借りて賃借料を払う方が良い。
《設立前の準備》
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