それまで個人事業として行っていたものを、新しく会社を設立して法人組織に変更することを「法人成り」と呼びます。

会社の設立手続きを行って、個人事業の廃業届を出して、はい終わり!

と単純に済めば簡単なのですが、実際には様々な手続きが必要になります。

法人成りを検討されている方は、どの様な準備や手続きが必要になるか、この記事を参考に把握してみて下さい。

法人設立の手続き

まず、事業の受け皿となる法人を設立する事から始めます。

法人には、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社など、様々な種類があります。

会社を設立するのに最低かかる費用は、株式会社の場合は最低24万円+諸費用、合同会社の場合は6万円+諸費用がかかります。

 参考 : 会社の設立にかかる費用(合同会社と株式会社の比較)

以前は有限会社がありましたが、2006年5月に会社法が施行されたタイミングで廃止され、有限会社に代わるものとして合同会社が誕生しました。

合同会社を設立する場合に、なるべくお金をかけたくない方は、当サイトの次の目次ページから記事を読まれると、色々と参考になる事があると思います。

法人設立後に行う手続き

法務局に必要書類を提出して受理されれば、法人の設立は出来てしまいます。

その後、様々な手続きが必要になります。

資産や負債などの移行手続き

事業に係わる資産や負債を、設立した法人に移行する作業が必要になります。

引き継ぐ内容は、棚卸資産、固定資産、売掛金、買掛金、貸付金、借入金です。

移行する方法は3つ。

  1. 売買契約による方法
  2. 現物出資による方法
  3. 個人の資産は個人所有のままにして、賃貸借契約を結ぶ方法

1の売買契約は、売買契約書を締結して金銭の受け渡しを行う方法です。具体的には個人所有の車を時価で会社に売って、会社名義にするという方法です。

2の現物出資は、法人の設立登記の書類作成時に「財産引継書」を作成し、金銭以外の資産を出資する方法です。具体的には個人所有の車を時価で出資し、資本金の一部に充てるという方法です。

3の賃貸借契約を結ぶ方法は、個人が設立した法人へ資産を貸す方法です。具体的には個人所有の車を会社に貸すという状態です。個人に所得が発生し毎年所得税の確定申告が必要になりますので、個人事業の廃業手続きは行いません。

1および2の方法は、時価等の算定が必要になります。

名義変更の手続き

取引先に対しては、挨拶や告知が必要です。

事務所などの賃貸借契約やリース契約がある場合には、名義変更や支払口座の変更手続きが必要です。

電気・ガス・水道・電話なども法人で引き継ぐ場合には、名義変更の手続きが必要になります。

個人事業の廃業手続き

税務署への届出関係

都道府県税事務所と市区町村への届出

  • 「事業開始(廃止)等申告書」の提出

資産の引継ぎに「賃貸借契約」の方法を採用した場合は、確定申告を継続するので、次の届出書のみ提出します。

所得税の確定申告

個人事業を廃業する場合も、翌年3月15日までに確定申告が必要です。

消費税の申告は、翌年3月31日までに申告が必要です。

最終年度は、廃業後1ヶ月以内に事業税の申告をしなければいけません。

ただし、事業主控除の範囲(290万円の月割額)ならば申告・納税の必要はありません。

まとめ

法人成りするには、法務局での会社設立手続きの他にも様々な手続きが必要になります。

費用もかかりますし、経理なども手間がかかりますし、維持費も必要になります。

法人税の申告は、個人事業の時の様に簡単には出来ませんので、税理士の先生に頼む事になります。

最低必要になる維持費については、会社設立後にかかる費用 にまとめてありますので参考にして下さい。