「定期同額給与」とは、役員が毎月もらう給与の額が同額である給与のことです。

一度決めた支給額を途中で増減してはいけません。途中で支給額を変更すると、損金計上が認められなくなります。

役員報酬の改定を行うには、一定の期間に一定の手続きが必要になります。

役員報酬の改定方法<定期同額給与>

役員報酬の額を変更するには、「定期同額給与」の要件に該当する一定の期間の間に変更すれば、損金として認められます。

以下は、4月1日~翌年3月31日を事業年度とした場合のイメージ図です。

(単位:万円)

70 70 70 70 70 70 70 70 70
50 50 50
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

会計期間開始の日(事業年度開始の日)から3ヶ月の間の改訂で、支給額改訂前後の各月の支給額が同額であれば、「定期同額給与」に該当し、損金に算入されます。

上の例は増額の場合ですが、減額の場合も同様です。

3ヶ月の間であれば良いので、4月から変えても構いません。

税務調査対策:改定内容を書類に残す事が大切

株式会社場合は、「定時株主総会」および「取締役会」での議事録を作成し、報酬の決定を書面で残します。

合同会社の場合は、株主総会も取締役会も無く、社員間での話し合いで決定出来るので簡単です。ただし、税務調査の事を考えると「同意書」という形で以下の書類を残しておいた方が、税務調査の際に調査官と揉めるような事がなくなるので、作成をお勧めします。

合同会社の場合<ひな形>

後々の税務調査の事を考えると、合同会社の場合も「同意書」を作成して残しておいた方が安全です。

同意書

 平成〇〇年〇〇月〇〇日 当会社本店において、下記のことについて総社員の同意があった。
  社員総数 : 1名
  出席社員数: 1名

  1. 業務執行社員 合同 太郎 の報酬を、平成〇〇年7月支給分(平成〇〇年7月31日支給予定)より、次のとおりとする。
    報酬金額  月額  〇〇〇,〇〇〇万円
                                以上
 上記について、総社員の同意があったことを証するため、この同意書を作成し次のとおり記名押印する。
  平成〇〇年〇〇月〇〇日
    合同会社〇〇〇〇
       社員   合同 太郎  (印)

合同会社の場合は、この1枚の作成だけで済みますので、簡単です。
次の株式会社の事例と比較して頂くと、その差がよく分かると思います。

株式会社の場合<ひな形>

合同会社の場合との比較で、株式会社のひな型も用意してみました。

株式会社のこの例の場合は、定時株主総会で決算承認と役員報酬の大枠の額を決め、取締役会で具体的な金額を定めるという事例です。

株式会社の場合は、簡単な「同意書」では済まされず、株主総会と取締役会の議事録作成が必要になり、手間がかかります。

特に1人で株式会社を運営される方にとっては、無意味な作業に感じてしまいますが、作らなければいけない決まりになっております。

それ故一人での起業の方は、合同会社をお勧めしております。

第〇〇回定時株主総会議事録

 平成〇〇年〇〇月〇〇日午前〇〇時〇〇分より、当会社本店において、第 〇〇 回定時株主総会を開催した。
  発行済株式の総数           〇〇,〇〇〇 株
  この議決権を有する総株主数          〇〇 名
  この議決権の総数           〇〇,〇〇〇 個
  本日出席株主数                〇〇 名
  この議決権の個数           〇〇,〇〇〇 個
  出席役員 代表取締役         〇〇 〇〇
              取締役           〇〇 〇〇
              取締役           〇〇 〇〇
              監査役           〇〇 〇〇
    議長   代表取締役         〇〇 〇〇
    議事録作成者             〇〇 〇〇
 上記のとおり株主の出席があったので、定款の規定により代表取締役 〇〇 〇〇は、議長席につき、本総会は適法に成立した旨を告げ、開会を宣言して議事に入った。

第1号議案 第〇〇期営業報告書の報告および、第〇〇期計算書類の承認の件

 議長は、当期(自平成〇〇年〇〇月〇〇日 至平成〇〇年〇〇月〇〇日)における当会社の営業概況を営業報告書により詳細に説明報告し、さらに、次の計算書類を提出して、その承認を求めた。
  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 個別注記表
 監査役 〇〇 〇〇 は、提出された書類を詳細に監査した結果、いずれも正確かつ適正である事を認めた旨を報告した。
 総会は、満場異議なく、これを承認可決確定した。

第2号議案 役員報酬額に関する件

 議長は、第△△期以後の取締役および監査役の報酬額を次のようにし、なお、これには使用人兼務役員の使用人分の報酬を含めないこととし、取締役の報酬の配分は取締役会に一任することに、監査役の報酬は、監査役の協議に一任することに決定してもらいたい旨を述べ、その決議をはかったところ、満場異議なく承認可決した。
      取締役報酬年額 金 〇〇〇〇 万円以内
      監査役報酬年額 金 〇〇〇〇 万円以内
 議長は、以上をもって本日の議事全てが終了した旨を述べ、午前〇〇時〇〇分閉会した。
 以上の決議を明確にするため、この議事録を作り、議長及び出席取締役において記名押印する。
   平成 〇〇 年 〇〇 月 〇〇 日
   株式会社〇〇〇〇 定時株主総会
   議長・代表取締役        〇〇 〇〇 (印)
            取締役      〇〇 〇〇 (印)
            取締役      〇〇 〇〇 (印)
            監査役      〇〇 〇〇 (印)

 

取締役会議事録

 平成〇〇年〇〇月〇〇午前 〇〇時〇〇より、当会社本店において、取締役会を開催した。
 出席取締役 〇〇名(全取締役数 〇〇名)
 代表取締役 〇〇 〇〇 は、議長となり、次の議案につき可決確定の上、午前〇〇時〇〇分散会した。

1.取締役報酬配分の件

 議長は、第〇〇回定時株主総会で決定された取締役報酬年額〇〇〇〇万円以内の配分方法について議場にはかったところ、出席取締役中より、その配分については代表取締役 〇〇 〇〇 に一任したいとの提案があり、全会一致をもってこれを承認可決した。なお、代表取締役 〇〇 〇〇 は取締役報酬の配分を次のように決定した。
              〇〇 〇〇  月額   〇〇万円
              〇〇 〇〇  月額   〇〇万円(使用人分は含まない)
              〇〇 〇〇  月額   〇〇万円(使用人分は含まない)
          但し、平成〇〇年〇〇月分よりとする。
 以上の決議を明確にするため、この議事録を作り、出席取締役の全員がこれに記名押印する。
   平成 〇〇 年 〇〇 月 〇〇 日
   株式会社〇〇〇〇 取締役会
    議長・代表取締役          〇〇 〇〇 (印)
    出席取締役        〇〇 〇〇 (印)
            〃                   〇〇 〇〇 (印)