合同会社は2006年5月に会社法が施行されたことによって、有限会社の代わりに設立が認められた新しい会社形態です。
当初4年間の設立件数は年間5~6千件位で推移していましたが、その後徐々に増え始めました。2016年には23,787件の設立があり、株式会社の設立4件に対して合同会社が1件の割合で設立されるまで増加してきました。
関連記事:合同会社と株式会社の設立登記数の推移(2006-2016年)
会社を設立する際の資本金額は、幾らの会社が多いのでしょうか?
合同会社と株式会社、それぞれの資本金額別の設立件数を調べてみました。
合同会社と株式会社、資本金額別の設立件数を比較
比較表
合同会社と株式会社の2016年中の登記件数を、資本金額別に分けた表です。
資本金の額 | 合同会社 | 株式会社 | ||
---|---|---|---|---|
設立件数 | 割合 | 設立件数 | 割合 | |
100万円未満 | 11,774 | 49.50% | 14,843 | 16.42% |
100万円以上 | 6,983 | 29.36% | 31,265 | 34.58% |
300万円以上 | 1,823 | 7.66% | 16,652 | 18.42% |
500万円以上 | 3,044 | 12.80% | 22,111 | 24.46% |
1000万円以上 | 119 | 0.50% | 3,631 | 4.02% |
2000万円以上 | 28 | 0.12% | 1,204 | 1.33% |
5000万円以上 | 7 | 0.03% | 465 | 0.51% |
1億円以上 | 9 | 0.04% | 218 | 0.24% |
10億円以上 | 0 | 0% | 14 | 0.015% |
50億円以上 | 0 | 0% | 0 | 0% |
100億円以上 | 0 | 0% | 2 | 0.002% |
合計 | 23,787 | 90,405 |
※「政府統計の総合窓口」より抜粋し割合を算出
合同会社の設立割合で最も多いのは資本金額が100万円未満で、設立した合同会社のほぼ半分が該当しています。
100万円以上が全体の3割なので、結局300万円未満の企業が8割を占めています。
それに対して株式会社は、最も多いのが100万円以上で3分の1、次いで多いのが500万円以上で4分の1、3番目に多いのは300万円以上で5分の1の割合となっています。
これらの数値をグラフにして見てみましょう。
資本金別の設立数
合同会社と株式会社の「設立の数」を資本金別に表したグラフです。
合同会社に比べて株式会社の設立数が圧倒的に多いので、数を比較したグラフでは少々読み取りづらいですね。
次は、資本金額別の設立割合を比較してみます。
資本金額別の設立割合
合同会社と株式会社の「設立の割合」を資本金額別に表したグラフです。(縦軸は%)
株式会社の設立数は100万円以上1千万円未満までが多いのに対し、合同会社の設立数は300万円未満、特に100万円未満が圧倒的に多いです。
合同会社の設立は、少額の資本金で設立している小規模企業の割合が多い、という結果になっています。