起業に必要な資金調達

新しく事業を始めたくても、資金の心配があるとなかなか起業に踏み切れないですよね。

最初にどの位の資金が必要になるのか、どの位の経費がかかってどの位の売上があれば利益が出るのか、自己資金だけでまかなえない場合はどこから資金調達すれば良いのかなど、色々と心配になります。

独立開業したいという思いを持ちながら、実際には行動に移せない理由のトップは「自己資金の不足」なのだそうです。

ここでは、起業前後で必要になる資金の調達先についてまとめてみました。

自己資金

自己資金は、自分の預貯金や資産です。

自分の預貯金や資産は、会社に出資して「資本金」にする部分と、資本金に入れない分については会社設立後に「会社に貸す」部分に分かれます。

創業融資を受ける予定がある場合には自己資金割合の要件があるので、自己資金はできるだけ多く用意した方が良いです。

日本政策金融公庫によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で3割程度とのことです。

よって、最低でも3割、出来れば半分以上用意することが望ましいでしょう。

配偶者・両親・兄弟などの親族

配偶者、両親や兄弟、親戚などの親族に頼む方法で、出資してもらうか借りるという方法です。

出資してもらう場合は、次の様なこに注意が必要です。

  • 合同会社の場合は原則として社員にしなければいけません
  • 株式会社の場合には議決権の割合によって会社が自分のものでなくなる可能性が出てきます。
  • 相続が発生した場合、株式会社であれば被相続人が株を買い取って欲しいと言ってきたり、新しい株主が非協力的な方だと議決権の割合によっては会社の運営に支障を来す恐れがあります。(合同会社の場合もほぼ同様)

親族に頼む場合は、出資ではなく借用証書を書いて借りる方法をオススメします。

友人・知人・取引先などの第三者

友人や知人、取引先や以前の勤め先などの第三者に頼んで協力を得る方法が考えられ、出資してもらうか借りる方法となります。

第三者から出資してもらう場合も、親族の場合と同様の点に注意が必要です。

1人で会社を運営したいのであれば、後々トラブルにならぬ様に、借用証書を書いて借りる方法がオススメです。

地方自治体(制度融資)

創業時の融資での第1選択先は、地方自治体による「制度融資」です。

特徴は、

  • 日本政策金融公庫よりも安い金利で借りられる
  • 据置制度
  • 事業に対する審査が厳しいが、事業プランをチェックしてもらえる利点

制度融資は、地方自治体から委託により、信用保証協会の審査を受けて民間の金融機関が融資を実行する仕組みです。各地方自治体がそれぞれ独自の政策に基づいて用意しているので、自治体によって融資の条件や融資の種類、借入限度額、金利などが異なります。

①地方自治体、②金融機関、③信用保証協会、の3者が係わるので、審査に1~2ヶ月という時間がかかるほか、公庫融資に比べて審査が厳しい傾向にあります。

無担保・無保証制度を利用する場合は、自己資金と同額までという限度を設けているところが殆どです。

種類は2つあり、「都道府県」で実施しているものと、「市区町村」で実施しているものがあります。

日本政策金融公庫(公庫融資)

創業時の融資で2番目に選ぶところは、(株)日本政策金融公庫から借りる方法です。

日本政策金融公庫は政府が100%出資しており、日本の経済発展に貢献することを目的に活動する政策金融機関で、固定金利で借りられるのが特徴です。

国の政策に基づいて事業資金の融資や創業支援を行っているので、創業融資には最も積極的な金融機関といえます。

創業したばかりで、事業の実績も自己資金も乏しく、民間銀行からの融資が困難な場合でも、国の政策として積極的に支援してくれます。

創業時に利用できるオススメは

他にも創業時に利用出来る融資がありますので、詳しい事は日本政策金融公庫の創業支援のページが参考になると思います。

申し込んでから早ければ1~3週間程度で、融資が実行されます。

お近くの支店は、日本政策金融公庫の店舗案内 で探すことができます。

プロパー融資

信用保証協会を通さずに、銀行から直接借り入れる融資です。

プロパー融資の審査は非常に厳しく、審査が通っても通常は1~2ヶ月程度かかります。

住宅ローンがあったり、個人事業時代から取引があったりするなど、既に銀行との取引がある場合には、銀行のプロパー融資を申し込んでみるのも良いと思います。

過去の実績、今後の事業計画、保証人次第では、有利な条件で融資を受けることができるかもしれません。

国や地方公共団体の補助金・助成金

返済不要な公的支援ですが、自ら申請手続きをすることが必要なものなので、知らなければ貰えません。

事前に手続きが必要なものが多くあったり、申請受付期間が短いケースや、年度の予算が無くなったら終了といったものまであります。

補助金や助成金は大きく分けて、①厚生労働省系の助成金、②経済産業省系の補助金、③自治体独自の助成金や補助金、の3つがあります。

ホームページ作成に関する助成金があたり、日本政策金融公庫の利子の一部を助成してくれる自治体もあったりします。

知っている人だけが得をするので、頑張って探してみましょう!

探す際には、中小企業庁の「未来の起業★応援サイト」施策マップ(ミラサポ) や、中小機構の J-Net21 を使うと良いでしょう。

自分の事業

創業資金不足対策の最後は、自分の事業の儲けから捻出しましょう!

資金繰りの面では、「回収は出来るだけ早く行い、支払は出来るだけ遅く」行うことで、手持ち資金にゆとりを作ることもできます。