「決算法人説明会」参加資料

会社を設立して9ヶ月くらいが経過すると、「新設法人説明会」の案内ハガキが税務署から郵送されてきます。その後は決算月を迎えるたびに、「決算法人説明会」の案内ハガキが届きます。

説明会には参加した方が良いのでしょうか?

内容が分からないと、参加すべきか否か迷いますよね。
「決算法人説明会」に参加して来ましたので、会場の様子や内容などについてお伝えしたいと思います。

「決算法人説明会」って何?

内容は、法人税や消費税などの概略説明のほか、税務署からのお知らせです。

参加することで、上記写真の様な資料が手に入り、情報が得られます。
何か分からない事があれば、先生に質問をする事もできます。

決算法人説明会の参加は「任意」となっており、参加費用はかかりません。
不参加によるペナルティーなどもありません。

会場の雰囲気は?

私の地域では、管轄する税務署の近くにある法人会館が会場でした。

入り口で、税務署から郵送されてきた「決算法人説明会」のハガキと引き替えに、テキストとして利用する小冊子などを手渡されます。

70人位が入れる会議室でしたが、参加者は約20人程と少なく、世代的には30代前半位からご年配の方まで幅広かったです。

飲み物は配られませんでしたので、講義の途中で飲みたくなる方は用意した方が良いでしょう。

説明会の内容は、こんな感じ!

今回私が参加した説明会は、「消費税の軽減税率制度」の話もあったためか、講義の時間は13時15分~16時15分までの3時間で、少し長めです。

1時間毎に5分間の休憩を挟んで、前半の2時間は税理士の先生が、後半の1時間弱は税務署の職員の方がお話をされました。

税理士の先生のお話は、「会社の決算・申告の実務」という64ページ程ある小冊子と、先生が用意したスライドを使った講義でした。

前半

「法人税の計算構造について、説明しま~す!」と、話が始まります。

ところが眠気を誘う、「税法」の話と「企業会計原則」の話からスタート!!

法人税法22条の条文の一部を読み上げ・・・

益金って何?損金って何?という基本的な部分の話をせずに

いきなり、益金の額から損金の額を引いた金額ウニャウニャウニャ・・・

有償または無償による資産の譲渡または役務の提供ウニョウニョウニョ・・・

一般に公正妥当と認められる会計処理の基準というのは~~~

会計帳簿を付けるための前提としては・・、ここにあります通り・・、公準と言われてまして・・、公準の次に会計原則が~~

 

会計を学んだ事がない人には、訳が分からぬ言葉の連続。
こんな説明、いつまで続ける? みんな眠くなるぞ!

 

会計公準は、企業実体の公準、継続企業の公準、貨幣評価の公準というのが、あーだのこーだの~~~

会計原則というのが・・・
一般原則が、真実性の原則~重要性の原則と8つあって、モニョモニョモニョ~~~

 

この内容や話し方ってさぁ、
簿記や税理士の受験者向けの講義を凝縮しただけじゃない?
会計と税法の考え方の相違点は重要な部分ではあるけれど、ハッキリ言って実務を行う上では学問的な細かい事はどーでもいい!
その辺はザックリとした概略程度で済ませて、具体的な処理の仕方や注意すべき点に時間を割きましょうよ!

 

その様に思った内容の話が、約25分!!

その後、ようやく「会社の決算・申告の実務」の小冊子

会社の決算・申告の実務こちらを用いた話に入ります。

  • 決算調整の話と、申告調整の話
  • 収益・費用と、益金・損金の違いの話
  • 収益・費用と、収入・支出の違いの話
  • 収益計上時期の話(仕訳が出てくる)

 

===== ここで、5分間の休憩に入ります! =====

 

中盤

5分の休憩が終わって、次の内容の説明が始まります。

  • 役員給与の扱いの話(損金に算入出来るもの3種)
  • 交際費等の話
  • 減価償却費の話
  • 青色欠損金の繰越控除と欠損金の繰戻還付の話
  • 資本的支出と修繕費の話

~~~~~ ここまでで、35分が経過 ~~~~~

ここからぶっ飛ばして早かった!

  • 繰延資産の話(4分)
  • 貸倒れ等の話(1分)
  • リース取引の話(1分)
  • 別表四と五の記載の話(2分)
  • グループ法人税制の話(10秒)
  • 使途秘匿金課税の話(20秒)
  • 法人税の税率表等の話(3分)
  • 消費税等の概要の話(7分)
  • 無料記帳指導の案内(30秒)

 

===== ここで、5分間の休憩に入ります! =====

 

後半

後半は、税務署の職員の方の説明がありました。

  • 「源泉所得税実務のポイント」の冊子の説明
  • e-Tax導入に関する話
  • マイナンバーの話
  • 納税証明書オンライン請求の話
  • 自主点検チェックシートの話
  • 契約書や領収書と印紙税の話
  • 税務署への相談の仕方に関する話
  • 帰りにアンケート記載依頼の話

~~~~~ ここまでで、12分程 ~~~~~

ここで一区切りで、帰りたい人はどーぞ! となりました。

続いて、「消費税の軽減税率制度」に関する話が35分程ありました。

平成31年10月1日に消費税率が10%に引き上げられると同時に、軽減税率の対象品目に当たるものの消費税率が8%となる話です。

簡単には書けないので内容は省略しますが、矛盾が多いし大混乱しそうだなーという事がよくわかる内容でした!

まとめ・参加してみての感想

開催場所の講師の先生によって異なると思うので、一概には言えませんが..。
少なくとも私が参加した会場での「決算法人説明会」の講義内容は、簿記の知識が皆無の方が参加しても、異国の地の言葉を聞いている状態で理解不能だと思います。

講義の中で講師の先生から出てきていた言葉の中に、次の言葉が頻発していました。

  • 現金主義会計
  • 正規の簿記の原則
  • 確定決算主義
  • 企業会計原則
  • 費用収益対応の原則

これらの言葉を知っているという事が前提で先生が説明していますので、

簿記3級レベルの知識では難しいです。
簿記2級の商業簿記がある程度分かるレベルでないと、何を言っているのか理解出来ないと思います。

簿記は分かるけど、法人税法を知らない人は、配った参考資料と講義をヒントに、自分で勉強してね!
話が理解出来ない人は、税理士の先生に頼んでね!

その様に感じました。

実際、法人の経理を行うには簿記の知識がそれなりに必要ですし、決算を行うには法人税の知識もある程度必要です。
法人税の申告を行うには、法人税法の知識が無ければ出来ません。

税理士試験の試験科目である、簿記論や財務諸表論の勉強時間はそれぞれ450時間、法人税法は600時間、最低必要と言われています。
それだけ難しい内容の事を、概略とは言えたったの2時間で説明しようなんて、無茶苦茶なことなのです。

先生が説明している言葉が分からない人には、理解不能。
言葉が理解出来るレベルの人には、物足りない。

そのような講義内容でしたので、会場に来ていた約20人程の中で、どれだけの人が理解しながら聞いていたのか、そして役立つ講義だったのか疑問です。

 「新設法人説明会」って何?

順番が前後しましたが、参考情報として付け加えました。

会社設立後、決算の3ヶ月くらい前になると「新設法人説明会」の案内ハガキが郵送されてきます。
この説明会は最初の1回しかチャンスがありませんので、初回だけは簿記の知識が無い方も含めて、とりあえず参加してみた方が良いと思います。
知らないことや、分からないことが、色々分かるはずです。

私が「新設法人説明会」に参加したときの内容は、今回書いた記事「決算法人説明会」の内容と、概ね同じでした。

違いは、

  • 少しやさしい内容であった
  • 法人会への勧誘があった

この位だったと記憶しております。